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実験771 いろいろなガラス玉顕微鏡を作ろう
顕微鏡作りは子供達が目を輝かせる実験の一つです。最悪ガラス玉なしでも作れます。実験4に紹介しました。ぜひ試してください。
人は虫眼鏡でものを見る時に無意識に明視距離(目に力を入れずにピントの合う距離:約250㎜)にピントを合わせます。図の場合アリが250㎜先に虚像ができるように見えます。実際のアリは焦点距離の内側にあります。倍率はだいたいで明視距離÷焦点距離になります。1㎜のガラス玉は焦点距離が約0.75㎜程です。250÷0.75=333倍ほどの顕微鏡ができます。レーウエンフックの単式顕微鏡です。ガラス玉顕微鏡の名で親しまれています。
ガラス玉がある場合
実験1:ガラス3㎜と1㎜の2種類を使ったプレパラートも見える顕微鏡
この顕微鏡と次のスマホ顕微鏡はエチオピアに教材として送っているものです。PPシートを使うことで、失敗せずに作ることができ、プレパラートを見ることができるサイズにしてあるので、活用方法が広がります。前にPSシートを使うと書いていましたが耐久性で問題がありました。すみません。
材料:ガラス玉1mm、PPシート1mm、プラスチックシート(お惣菜のフタ)、薄いプラスチックシート、割れピン、セロテープ、はさみ、カッター
PPシートをスライドガラスぐらいの大きさに切ります。そして、ガラス玉より小さめの穴を開けます。ガラス玉を乗せます。
この時に、薄めのプラスチックシートを上の写真のように切ります。真ん中の折り曲げた部分でレンズと試料との距離を変えることでピント調整ができます。テープで固定します。
試料をのせるプラスチックシートを取り付けます。横にも動かせるようにします。レンズの視野に入る部分を矢印のように線で引きます。試料はレンズ側にセロテープで貼ります。
PS側から、明るい窓・蛍光灯・PC画面などに向けて見ます。プレパラートを見る場合はプラスチックシートを横にしてプレパラートのカバーガラス面をレンズ側にしてのせます。後は同じように照明に向けて見てください。机に照明がある場合は鏡で反射させてみるとよいです。この顕微鏡はいかに良い明りを取り入れるかが、見え方に大きな違いを生みます。
試料とレンズの距離を調節してピントを合わせます。3㎜レンズは100倍、1㎜は300倍程度の倍率になります。焦点距離(下に計算式があります。)の内側に試料があると虚像ができます。この時に目から明視距離の25㎝程度に像ができると鮮明に見えます。尚、照明は自然光・蛍光灯が良いです。LEDも可視光はカバーしているはずなのですけれども、どうも像がきれいに見えないようです。
実験1-2:スマホで顕微鏡(画面を一緒に見る方法)
この顕微鏡の難点は、見ているものを他の人と一緒には見れないことです。子供達に「見えるか?」と聞くと必ず「見える」と答えますが、見えていない場合も多くあります。そこでスマホなどの画面に映し出し、共有します。
絞りがないため、光の調整が難しいのが難点です。
材料:ガラス玉3mm(上から光をあてるため大きいガラス玉)、PSシート2㎜厚(ダイソー)、プラスチックシート(お惣菜のフタ)、書類を挟むファイルシート
PSシートを6x3cmに切りレンズ用の穴を開けます。プラスチックシートを写真のように切りピント調整ができるようにします。
レンズの上にシートを置き、試料をのせます。書類を入れるファイルを10x1cmに切ります。
顕微鏡に巻き付けてホチキスで止めます。顕微鏡を明るい方に向けてピントを合わせます。ピントはファイルシートを動かして合わせます。スマホのカメラの位置に置きます。スマホのレンズの真上に置くと白い円形の視界が見えます。
これでも見えているのですが、光が少なすぎて見えません。そこで、上からライトで照らします。絞りが無い為に光の調整にこつがいることが難点です。LEDの白いライトがいいです。
スマホの倍率を少し上げるとよく見えます。200倍程度で見ることができます。またスマホ自体に写真の保存ができて便利です。スマホの画像をパソコンやテレビになどにミラーリングするとクラス全体で共有できます。方法はネット上に乗っていますので調べてください。
実験2:ペットボトル顕微鏡2種
材料:ガラスビーズ3mm、ペットボトル、プラスチック(惣菜のフタ)
ペットボトルを使う時には必ずキャップの内側の水漏れ防止部分を切り取ります。そのまま使うとレンズが試料との距離を縮められずにピントが合いません。ピントの合う焦点距離は下の方に書いてあります。
キャップに穴を開けてガラス玉3㎜を乗せます。その上からセロテープで固定してしまいます。本来、接着剤で固定した方がよく見えますが、ガラス玉3㎜は焦点距離が長いためセロテープが視界をさほど邪魔しません。
プラスチックシート(お惣菜のフタでOK)を口に合わせて切り、セロテープで固定します。
見たい試料を乗せて、セロテープで貼ります。ふたをかぶせて明るい方を見ます。ふたを回してピントを調整します。あまりよく見えなかったら、下から光を当ててみるようにして下さい。
うまく見えない時はガラス玉と試料の距離を調整するとほとんど見えます。倍率は人の明視距離250㎜÷レンズ焦点距離2.25mm=111倍 になります。
実験2:ペットボトル顕微鏡2種
材料:ガラスビーズ1㎜、ペットボトル、プラスチック(惣菜のフタ)
上の図のように口の大きさに合わせてプラスチック板(お惣菜のふたなど)を切り、口に固定します。観察する資料をセロテープで貼り付けます。左の写真のようにフタの方から明るいほうを見ます。この顕微鏡は作るのが難しい面があります。せっかく作ってもガラス玉の位置が悪く見えない場合がよくあります。しかしうまくできた時には、ビーズの大きさによりますが、1㎜のビーズでは約333倍になります。
単眼顕微鏡の倍率について:ガラス玉の焦点距離と人間の明視距離の比できまります。
ガラス玉の焦点距離は以下の式で出せます。完全な球でR1=R2=rとすると、下の右側の式になります。
顕微鏡作りは子供達が目を輝かせる実験の一つです。最悪ガラス玉なしでも作れます。実験4に紹介しました。ぜひ試してください。
人は虫眼鏡でものを見る時に無意識に明視距離(目に力を入れずにピントの合う距離:約250㎜)にピントを合わせます。図の場合アリが250㎜先に虚像ができるように見えます。実際のアリは焦点距離の内側にあります。倍率はだいたいで明視距離÷焦点距離になります。1㎜のガラス玉は焦点距離が約0.75㎜程です。250÷0.75=333倍ほどの顕微鏡ができます。レーウエンフックの単式顕微鏡です。ガラス玉顕微鏡の名で親しまれています。
ガラス玉がある場合
実験1:ガラス玉1㎜を使ったプレパラートも見える顕微鏡
この顕微鏡と次のスマホ顕微鏡はエチオピアに教材として送っているものです。PPシートを使うことで、失敗せずに作ることができ、プレパラートを見ることができるサイズにしてあるので、活用方法が広がります。前にPSシートを使うと書いていましたが耐久性で問題がありました。すみません。
材料:ガラス玉1mm、PPシート1mm、プラスチックシート(お惣菜のフタ)、薄いプラスチックシート、割れピン、セロテープ、はさみ、カッター
PPシートをスライドガラスぐらいの大きさに切ります。そして、ガラス玉より小さめの穴を開けます。ガラス玉を乗せます。
この時に、薄めのプラスチックシートを上の写真のように切ります。真ん中の折り曲げた部分でレンズと試料との距離を変えることでピント調整ができます。テープで固定します。
試料をのせるプラスチックシートを取り付けます。横にも動かせるようにします。レンズの視野に入る部分を矢印のように線で引きます。試料はレンズ側にセロテープで貼ります。
PS側から、明るい窓・蛍光灯・PC画面などに向けて見ます。プレパラートを見る場合はプラスチックシートを横にしてプレパラートのカバーガラス面をレンズ側にしてのせます。後は同じように照明に向けて見てください。机に照明がある場合は鏡で反射させてみるとよいです。この顕微鏡はいかに良い明りを取り入れるかが、見え方に大きな違いを生みます。
ガラス玉1㎜の時に倍率は333倍になります。3mmのガラス玉でも作れます。写真は1㎜と3mmのガラス玉で作った顕微鏡です。ただ難点があります。人の目はかなり精密で3mmのガラス玉ですと歪みを感じてしまいます。少し歪んでいると見えなくなります。ガラス玉によって、又は置き方によって見えたり見えなかったりします。顕微鏡として安定しません。ガラス玉はレンズとして作られていませんからね。直径3mmのボールレンズを買うと一つ2000円位します。1㎜のガラス玉の歪みはほとんど感じません。
プレパラートも永久とまでは言えませんが長持ちするものを作りませんか。家庭で手に入るもので充分できますよ。
実験1-2:スマホで顕微鏡(画面を一緒に見る方法)
この顕微鏡の難点は、見ているものを他の人と一緒には見れないことです。子供達に「見えるか?」と聞くと必ず「見える」と答えますが、見えていない場合も多くあります。そこでスマホなどの画面に映し出し、共有します。
絞りがないため、光の調整が難しいのが難点です。
材料:ガラス玉3mm(上から光をあてるため大きいガラス玉)、PSシート2㎜厚(ダイソー)、プラスチックシート(お惣菜のフタ)、書類を挟むファイルシート
PSシートを6x3cmに切りレンズ用の穴を開けます。プラスチックシートを写真のように切りピント調整ができるようにします。
レンズの上にシートを置き、試料をのせます。書類を入れるファイルを10x1cmに切ります。
顕微鏡に巻き付けてホチキスで止めます。顕微鏡を明るい方に向けてピントを合わせます。ピントはファイルシートを動かして合わせます。スマホのカメラの位置に置きます。スマホのレンズの真上に置くと白い円形の視界が見えます。
これでも見えているのですが、光が少なすぎて見えません。そこで、上からライトで照らします。絞りが無い為に光の調整にこつがいることが難点です。LEDの白いライトがいいです。
スマホの倍率を少し上げるとよく見えます。200倍程度で見ることができます。またスマホ自体に写真の保存ができて便利です。スマホの画像をパソコンやテレビになどにミラーリングするとクラス全体で共有できます。方法はネット上に乗っていますので調べてください。
実験2:ペットボトル顕微鏡
材料:ガラス玉1㎜、ペットボトル、プラスチック(惣菜のフタ)
ペットボトルを使う時には必ずキャップの内側の水漏れ防止部分を切り取ります。そのまま使うとレンズが試料との距離を縮められずにピントが合いません。ピントの合う焦点距離は下の方に書いてあります。
キャップに穴を開けてガラス玉を接着剤で固定します。接着剤をつけすぎて、視野を邪魔しないように気をつけます。そうざいのプラスチックで内側のボトルに円形の台を乗せます。
見たい試料を乗せて、セロテープで貼ります。ふたをかぶせて明るい方を見ます。ふたを回してピントを調整します。あまりよく見えなかったら、下から光を当ててみるようにして下さい。
うまく見えない時はガラス玉の乗せ方と試料の距離を調整するとほとんど見えます。ただし、手先の器用さを求められる顕微鏡です。倍率は人の明視距離250㎜÷レンズ焦点距離0.75mm=333倍 になります。
単眼顕微鏡の倍率について:ガラス玉の焦点距離と人間の明視距離の比できまります。
ガラス玉の焦点距離は以下の式で出せます。完全な球でR1=R2=rとすると、下の右側の式になります。
この式にガラス玉の半径 r=0.5㎜として、ガラスの屈折率n=1.5を代入すると f=0.75㎜になります。
この直径1㎜のガラス玉の倍率は、次のようになります。人間の明視距離(目に力を入れずにピントの合う最短距離)が25~30㎝です。明視距離の位置にレンズの虚像ができるようにピントが合います。図のように小さな☆が25㎝先に大きな☆になります。三角形の比の関係( a : b = c : d )から像の大きさは 明視距離 250mm÷ 焦点距離 0.75mm =333倍 になります。
ガラスビーズを自作したい場合は、ガラス棒を細く伸ばして斜めからバーナーの炎を当てるとガラスが球になり落ちます。おたまを置いておき受け取ると、球のままで冷えます。
実験3:ガラス棒から作る場合
材料:ガラス棒、バーナー、黒い下敷き、スライドガラス、セロテープ
図のように、細いガラス棒を加熱すると、溶けたガラスの表面張力によって、球状になります。線香花火が丸くなることと、同じ理屈です。この球状のガラスをレンズとして利用して、200倍程度の顕微鏡にします。
次に黒い下敷きを2×5cmに切ります。中央に直径1mm程度の穴を開けます。
両サイドを1cm程度折り曲げます
。左のウのように、ガラス玉に1㎝の棒をつけたままの状態で穴に置き棒の部分をセロテープ等で固定します。
図のように、プレパラートに乗せます。ピントの調節は、ガラス玉とプレパラートのカバーガラストの距離をプラスチック板を押すことで合わせます。必ず明るい方にプレパラートを向けて下さい
初めは、ピントを合わせることが難しいので見たことのあるプレパラートで見たほうがよいと思います。
実験4:水滴を使って作る顕微鏡
ガラスビーズも無く、バーナーもない場合に作る顕微鏡です。作り方はガラスビーズ顕微鏡と全く同じで、フタの内側の突起を取り、試料を置く台を口につけて、試料を載せます。
ガラスビーズの代わりにペットボトルのふたの内側または外側の乗せやすい方の穴に水を一滴のせます。水滴がレンズの代わりをする仕組みです。海外で途上国の支援をする時にやります。何とか玉ねぎの細胞壁程度は見えます。試してみてはどうですか?右の写真は玉ねぎです。核も見えてますが、慣れていないとなかなかピントが合いません。
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