表面張力ってやるね⁉ 表面張力の実験3連発‼
実験1:表面張力を見よう!
材料:一円玉、エナメル線、クリップなど水に沈むもの、コイン、グラス
水に沈む物体も、そっと浮かべると水に浮きます。これは表面張力のためです。水の分子はお互いに引き合っています。これを分子間力といいます。水面の水分子は上方向以外に引っ張られます。この力のせいで水面の分子は表面積ができるだけ小さく丸くなろうとします。一円玉を乗せてもそれを押し返す力が表面張力です。
1円玉はスプーンなどで支えてそっと浮かばせます。2本のエナメル線を8cmに切りねじり、アメンボのようにします。直径0.3mmのエナメル線は簡単にできます。0.5㎜の場合はバランスが重要です。
グラスの縁まで水を入れたものに、コインを沈めていきます。予想以上にコインが入ります。グラスの形を図のように水面に比べて体積の少ないものにすると沢山コインが入るように見えます。
表面張力の測定方法は色々あります。液体の製品を開発する際には大変重要になります。また、界面科学の世界は「へー」という現象ばかりです。もう少し詳しく知りたい方は以下のリンクからどうぞ
実験2:セメダイン船を作ろう(樟脳船より手軽だよ)
表面張力を変化させることで、船を動かして遊びます。
材料:ポリスチレン(発泡スチロール)、はさみ、ストロー、食器洗剤、セメダインC、洗面器
船の形にしたプラスチックの後ろの部分にうすめた洗剤を一滴たらします。船は20㎝位進みます。たらさないと進みませんので、写真のように船の後ろにストローをつけその中に洗剤の代わりにセメダインCを少量入れます。これですと5分から10分進み続けます。ストローをつけた方が方向が決まります。昔は樟脳を使いましたが、今は手に入りにくくなりましたので、セメダインが良いです。
表面張力は下の図のように、あらゆる方向に引っ張っています。洗剤などの界面活性剤を滴下すると、この力が弱くなります。結果的に反対方向に船が進みます。セメダインの場合は溶剤として入っているアルコールがこの役割をします。樟脳や界面活性剤が溶け出す反作用で進むのではないかという意見もありますが、表面張力の変化という考え方のほうが一般的です。
セメダインをそのまま水にたらすと、動き回ります。下のリンクから動画をご覧ください。
セメダインCは溶剤のエタノールが抜けることで固まります。エタノールはC2H5OH構造でC2H5の部分が疎水基OHの部分が親水基となります。このように疎水基と親水基を持っている物質を界面活性剤といい洗剤などに使われています。
実験3:食紅アート
材料:牛乳、食紅(スーパーにあります)3色くらい、綿棒、薄めた洗剤
薄いお皿に牛乳を入れます。そこに食紅をたらします。うすめた洗剤をつけた綿棒を入れると食紅が広がります。広がる原理は実験2の船と同じです。
実験4:ざるだってバカにできない!
材料:ざる、カップ、つまようじ
よくハガキでふたをしたグラスをひっくり返しても水がこぼれない。という実験があります。中学生ですと「知っている。」と必ず誰かが言います。おもむろに水切りかごなどのざるを出して同じ実験をしようとするとびっくりします。最後にざるのすき間から、つまようじを入れると尊敬の念?で見られるものです。
網目のひとつひとつに働く表面張力と大気圧が水の重力を支えます。しかし、微妙なバランスで支えるため斜めにすると力のかかる方向がずれて水がこぼれてしまいます。初めに逆さにする時も少しこぼれます。1cm四方の水切りかごでもできますが、初めにかなり水がこぼれます。
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