光の実験③ 分光:光を分けて虹を見る実験3連発
光や電波など波で伝わるものは、一定の条件で直進せずに、回り込む性質があります。これを利用して、光を分ける(虹を作る)ことを分光といいます。今回は簡単な分光器の実験です。
実験1:CDに光を当てて分光させる
光には狭いすき間を通る時や狭い溝のある面で反射すると回折(回り込んで曲がる)する性質があります。CDには細い溝がたくさんあります。1㎜当たり625本、2本の間隔は0.0016㎜です。この細い溝に光が当たると回折を起こします。光の波長によって強めたり、弱めたりされる場所が変わります。つまり色の違いで強められる場所が変わり、虹のように光が分光されます。あまりにも簡単な分光器です。これは太陽光を白い紙に反射させるだけです。
図1 図2
虹を見るのは簡単なのですが、原理はちょっと難しいです。高校の物理で勉強する内容です。
CDの溝(実際は突起)のように非常に細かい間隔で引かれものに光が入射するとある特定の角度の方向に反射したものが強められます。
この時の強められる角度θは d sinθ =n λ という関係が知られています。
光によって波長λは違いますので 赤緑青の光はそれぞれ違う角度で強められます。図2
実験2:CD分光器の製作
そこで、上の式から角度を60°程度にすると赤から青まで見えます。写真のような箱(設計図は下のPDFにあります。)を組み立てて、虹が見やすいように黒い筒で見ます。右下写真のようにきれいに光が分かれて虹のように見えます。
分光器で虹を見ました。さらに、この分光器の利用方法についてお話します。
光を詳しく調べることで、その光源の物質を調べることができます。例えば太陽光を調べると特定の波長の光がありません。下の図の黒い線がそれです。ブラウンフォーファー線と呼ばれています。太陽の大気が特定の光が特定の光を吸収することによって起こります。夜空の星の物質構成を調べることができます。
ウィキペディアより
実験3:植物の葉の吸収スペクトルの観察
実験自体は極めて簡単、植物の葉をすりつぶし、エタノールで葉の色素を抽出します。その抽出液を通して太陽の光を見ると、植物の葉が太陽の光でどの波長の光を吸収して光合成をおこなっているかを見ることができます。
抽出液 そのまま太陽光を見たとき 抽出液を通して太陽光を見た時
この結果から植物は赤と青の光を吸収して光合成をしていることがわかります。
関連ページ:光の実験はまだ導入されてから年数がそれほどたっていません。その為に実験自体が練りこまれていないのが事実です。関連ページをご覧になり、参考にできる実験をぜひご覧ください。