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​コイルを使ったワイヤレス給電とジュールシーフ(発振)回路

​スマホなどのワイヤレス給電が普及してきました。コードをつながずに置くだけで充電でき大変便利です。今回はこのワイヤレス給電の実験です。

​実験1:コイルを使ったワイヤレス給電

材料:トランジスター2SC1815、抵抗1KΩ程度、LED,エナメル線、単三電池、導線、はんだセット

写真を見るとそれほど複雑な回路ではありません。初めの写真が電気を送る回路、つぎの写真が受け取る回路です。コイルの磁界が変化するとそれに反発するように誘導電流が流れる。この性質を利用します。送る側は発信回路といい、電流が増減します。エナメル線のコイルは電流の変化にあわせて磁界が変化します。

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実体配線図です。電池からコイルの真ん中にコードをつなげ、抵抗とトランジスターに分岐します。トランジスターのエミッターEと電池の-に戻します。トランジスターは2SC1815抵抗は1KΩです。トランジスターは図のように置いてください。回路図も載せておきます。

実体配線図.jpg
トランジスター2.png
回路図1.jpg

​では制作に入ります。エナメル線を直径約3㎝で30回程巻いてコイルを作ります。真ん中にコードをつなげます。つなげるところはエナメルをはがしてください。それを平らにつぶします。紐などで縛ってください。伝送効率が良くなります。エナメルの両端にトランジスターと抵抗をつなげます。1KΩがなかったので今回は470Ωにしました。これで送電側は電池に繋ぐと出来上がりです。

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受電側はコイルを15回程巻いたものにLEDをつなげるだけです。送電側と受電側のコイルを重ねるとLEDが点灯します。LEDは大体3V必要ですが、1.5Vの乾電池で点灯します。これは発振する際の逆起電力が大きくなるせいです。この性質を利用して、弱い電池を最後まで利用するジュールシーフ回路があります。実験2をどうぞ。

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​コイルの直径・巻き数・抵抗値などを色々変えて自由研究にどうぞ。

LEDは3V程度の電圧が必要になります。乾電池一本では点灯しないことと、プラスマイナスの極性がある為に教育現場では電気回路のスタート学習には使えていません。しかし、電球型LEDで1.5Vで点灯するものが出てきました。豆電球のように切れずに長持ちします。

​実験2:1.5VでLEDが点くジュールシーフ回路

​豆電球型LEDで1.5V用のものがあります。これは金属部分に下の写真と図のようなジュールシーフ回路が入っています。この回路は0.6V位でもLEDを点灯できる発振回路です。エネルギーを使い切るジュールをシーフ(盗む)する回路です。

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ジュールシーフ回路.png
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​実体配線図です。電池の+からコイルの真ん中につなぎます。これで回路図のように反対巻きのコイルが二つ向かい合わせになります。コイルの両側からコンデンサー抵抗とトランジスターLEDにつなぎます。トランジスターのEエミッターから電池のマイナスに返します。

トランジスター2.png
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重要な役割をコイルがします。中学校で電磁誘導をやったと思います。コイルの磁束が変化するとそれに反発する磁束ができるように電流が流れるというやつです。この回路はコイルの電流が流れたり止まったりを繰り返す(発振する)。ように作られています。この時に乾電池の電圧は昇圧されLEDが点きます。(点滅を繰り返しますが人の目にはわかりません。)

 

では実際の製作に入ります。1m程のエナメル線で直径3㎝のコイルを作ります。エナメルの中央部にコードをつなぎます。もちろんエナメルの両端とコードをつなぐ所はエナメルをはがします。そしてコイルを平らにします。紐などで縛ってください。これは電磁誘導を効果的に起こすためです。

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次に抵抗1kΩとコンデンサー0.1μFを並列につなぎます。この数値でないとだめというわけではありません。一桁程度に違いは大丈夫ですが、あまり数値が違うと点きません。LEDの長い方をコレクターCにもう一方をエミッターEにつなげます。トランジスターは2sc1815です。

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トランジスター2.png

​後は、実体配線図のようにつなげます。

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​この回路の利用法ですが、とにかく電池を使い切ってくれます。上の写真ですが0.6Vを切ってもまだ何とか点いています。ですから懐中電灯などに利用されます。1.5Vで明るく重宝しています。また下のキーホルダーは秋葉原の千石電商で売っていたものですが太陽光で充電し、ジュールシーフ回路内蔵の優れものです。1つ100円という恐ろしいものです。残念ながら中国製です。

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キーホルダーライト.jpg

​実験3:発信させて音を出すマルチバイブレーター

マイクのハウリングを耳にしたことがあると思います。片方のマイクの音をもう片方が拾い、さらにもう片方が拾い・・・これを続けることで限りなくうるさくなっていきます。あのイヤな音です。実はこれが発信回路の原理なんです。比較的に簡単にできる回路ですので、是非作ってみて下さい。発振回路の抵抗値を変えることで音を変化させて電子ピアノにします。

材料:トランジスター2SC1815 (2) 電解コンデンサー0.47F(2) 抵抗2.2KΩ(2) 10KΩ可変抵抗(8)

​下にあるマルチバイブレータ回路が基本です。可変抵抗を8つ付け加えて抵抗値を調整してドレミファが出雨量にします。スイッチを押すと電子ピアノになります。回路図から頑張って作ってみてください。

上の図がマルチバイブレーターの一般的な図です。トランジスターで増幅した信号を隣のトランジスターに入れなおして、また増幅してということを繰り返す回路です。
 R  2.2kΩ  R1、R2 10  C1  C2 0.47μF  入力電圧 3Vです。 
これでスピーカーにつなぐとある一定の音が鳴ります。

一つの音だけでは面白くないので R2の代わりに可変抵抗をたくさん入れます。右上の写真です。それぞれ調節してドレミファ・・・をなるようにします。簡単な電子ピアノになります

​実験4:LEDで発電!?

材料:LED

科学の世界では反対のことは大体正解になります。「LEDに電流を流すと光る。」この反対「LEDに光を当てると電気が流れる。」これも正解になります。ではLED(一つでもかまいませんが)を10個を並列につなげます。これに光を当てるだけ!

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上の写真のように電圧は2Vほど取り出せます。しかし電流の方は非常に小さく発電として使うには不向きです。良い電池の条件は沢山の電流を取り出せることです。その為には内部抵抗を小さくしないとなりません。

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