音の振動についての実験3連発
空気などが振動を伝えることで音は聞こえます。ここでは、その振動の様子を視覚的にとらえる実験をおこない、もう少し詳しく考えます。
実験1:音による振動を目で見よう(物体の共振を見よう)
物体には固有振動数といい、特定の振動数で共振(激しく振動)します。洗面器にビニールを貼って、食卓塩を振りかけて大きな声を出します。ある声の高さ(振動数)で模様ができます。
黒ビニール袋を切り洗面器にピンと張ります。小さい穴をすみに開けて外と圧力差を無くします。あとは、直接息をかけないように、口を紙コップでおおい、声の高さを変えながら大声で振動させます。ある高さの声で模様ができます。少し難しいです。
模様ができるのは、ビニール膜が声に共振して一定の振動が起こる時です。この時にある部分では激しく振動し、またある部分ではほとんど振動しないところができます。これを定常波と呼んでいます。食卓塩は振動しない部分に集まり模様を描きます。なんとなくこれでお茶を濁してもよいのですが、もう少し本格的にします。このようにしてできる図形をクラドニ図形といいます。
実験2:音による振動を目で見よう②(クラドニ図形を見よう)
材料:正方形のアルミ板、スピーカー、黒マジック、食卓塩、特定周波数を出せる音源ソフト
音源をスピーカーにつなぎます。できればアンプを入れて大きい音にします。正方形のアルミ板を黒く塗って、スピーカーの上に置きます。ボルト等で固定したほうが良いのですが、ほかの実験に使えなくなるので置くだけにしました。食卓塩(食塩より固まらない)をふりかけ、音を出すと模様ができます。クラドニ図形といいます。
実験3:音による振動を目で見よう③(クント管による振動を見よう)
材料:透明な筒、食卓塩、特定周波数を出せる音源ソフト、スピーカー
これは高校の実験です。透明なプラスチック管をスピーカーにつなげます。発泡スチロールの細かい粒(枕に入ってる)入れてふたをします。管の長さに応じてある振動数で左の写真のように粒がきれいに振動します。
管の中で左のように定常波(一番しっかり共振する)になるとすると、上の場合は音の波長が管の2倍( f = 2L :Lは管の長さ)音速340m/sを次の式に代入します。V = f × λ 振動数λが計算によって求めることができます。
下の図の場合は管の長さが波長fになります。
実験4:音による振動を目で見よう④(ダンシングスネークを作ろう)
実験2,3は高校の物理の内容です。楽しい工作に移ります。
材料:紙コップ、色画用紙、モール4㎝、カッター
紙コップに直径2㎝程の穴を開けます。モールでとぐろを巻いた蛇を作ります。パランスに注意してください。蛇をコップの上に置き、画用紙で作ったメガホンで穴へ声を入れます。ある高さの音で蛇がくるくる回ります。
実験5:振動数を目で見よう(ブンブン風船を作ろう)
材料:風船3、大きさの違うナット3
大きさの違う六角ナットを入れて、風船を同じ大きさに膨らませます。ぐるぐる回すと音が出ます。生徒に振動数を計算させます。
直径15㎝の風船に一辺0.3㎝のナットを入れて回転させた。①風船の円周はいくらか(15×3.14=47.1㎝)②六角形のナットがきちんと風船とぶつかるとして角は何回風船にぶつかるか。(47.1÷0.3=157回)③157Hzの音と風船の音を聴き比べる。かなり近い音程が出ます。
関連ページ:振動を耳に聞こえる形にした実験(いろいろな笛を作ろう)、音の伝わり方を調べよう