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リトマス紙の代用指示薬

酸・アルカリの実験ではリトマス紙に限らず、指示薬が必要になります。今回は身近にあるもので、リトマス紙代わりになるものを紹介します。

準備:アントシアニンを含む植物、お湯(エタノール、食塩水)、酸性・アルカリ性の液体、ビーカー

​アントシアニンを多く含む植物:一番よくつかわれるものが紫キャベツでしょう。その他にはアサガオ・ナス・ブルーベリーなどがあります。赤・青色系統の花は含んでいることが多いです。

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​ビーカーにエタノール(お湯または食塩水)を入れアントシアニン色素を溶かしだします。ナスは含まれている酵素のためにすぐに変色してしまいます。ナスに限らず抽出したアントシアニンはあまり長持ちをしません。アサガオなどは花を乾燥した状態で冷凍保存します。紫キャベツも千切りにして冷凍保存します。赤色の花の中にもアントシアニンを持っているものがあります。写真はハイビスカスです。エチオピア北部では容易に手に入り便利でした。色々な花を試してみてください。

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​基本的に酸性で赤色、アルカリ性で青色になります。しかし、アントシアニンにはいろいろな構造のものがるので同じ色ではありません。最後の写真はいろいろな植物で抽出しました。酸とアルカリも身近なもので実験しましょう。表をご覧ください。10倍に薄めると大体pHが1変化すると思ってください。

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​植物の葉とアントシアニン:

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紅葉とアントシアニン:植物はクロロフィルという光合成をつかさどる緑色の色素を持っています。ですから葉は緑色です。気温が低くなり、葉が役割を終えるとクロロフィルは分解されて回収されます。そして、アントシアニンが合成されます。この色素は紫外線から細胞を守っているといわれますが、まだよく分かってないようです。イチョウやポプラはカテロイドという黄色の色素も持っているので、クロロフィルがなくなると黄色くなります。そして、緑色の植物の葉でもアントシアニンを持っているものもあります。写真はあまり変化していませんが、ゼラニウムの緑色の葉からとったものです。
 

​色が変化する理由:

​アントシアニンは水素イオンや水酸化物イオンの働きでその構造が変化します。物質の構造が変化すると、太陽の光の七色の成分の中で反射・吸収する色が変化します。ほかの指示薬も皆このようにして色が変化します。このように構造が変化して色が変わるものを構造色といいます。
 

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アントシアニン中性時.png
アントシアニンアルカリ性時.png

​上の図はアントシアニンが酸性から中性・アルカリ性になるにしたがっての構造の変化を表しています。くわしくはキリヤ化学のサイトへどうぞ
 

​リトマス紙はコケに含まれる色素から抽出したものです。アントシアニン以外にも、カレー粉に含まれるターメリックも色が変化します。
 

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