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どうして力学を嫌いにするの?(斜面と台車)

今回は字をちょっと大きく書きます。物理学と聞くだけで拒否反応を示す人がいます。これのトラウマの多くは、中学校の実験の台車を使った運動ではないでしょうか。私自身も多くの生徒にトラウマを作ってしまうことが多いです。「何でもっと易しく教えないんだ!」これは、物理学がほとんどノートの上で作られた学問のせいだからです。なんで台車と斜面で運動の第二法則 F=ma を教える? 簡単にすればいいじゃないか。

これが今回のテーマです。

一般に中学校では図のようなものを使いこの実験の説明します。

摩擦のない斜面に物体を置くとその物体の重力の分力である斜面方向の成分が物体に働き斜面を下向きに段々速くなる運動を行う。また、この時常に一定の下向きの力が働く。このように一定の力が働く時には物体は速さの変わる運動を行う。

ちょっと分かりにくいですね。でも教科書はこんな感じです。嫌いになると思いませんか?何が言いたいの?と多くの生徒は思っています。これを実験を通して一つずつ積み上げて理詰めで教える。物理の特徴です。ついてこれない人をバカにしている感じもします。

 

「じゃ分かるように教えられるのか?」 簡単です。

ここで扱うのはF=ma の運動の第二法則が分かればいいのです。難しくしている原因は、条件や設定がおお過ぎるんです。 摩擦、斜面を使う、重力の斜面方向・・・・できるだけシンプルにすれば生徒もすぐに飲み込めます。そして一番の原因は力を視覚的にとらえられていない実験だからです。

これで実験すればいいんです。生徒もこれなら等加速度運動することが一発で分かります。また、加速する時には常に力が加わっていることも、おもりを見れば視覚的に理解できます。何故この実験をやらない?それは物理がノートの上で作られたからです。それとこの実験には机のヘリにとりつける滑車が必要だからです。最近教科書にはやっと出てきました。

​きちんと運動方程式を立てると糸の張力はmaにはなりませんけど、理科嫌いを作るよりはいいのでは?

下の写真は机のヘリにとりつける滑車です。多少サイズが違っても実験できます。板に机と同じくらいの切れ込みを入れて、滑車をつけるこれだけです。非常に良い実験結果が出ます。

しかし、斜面の問題は高校入試には必須です。この実験の後、涙を飲んで斜面の実験も行います。力の分解も身につけさせる必要性も分かりますが、ここで理科嫌いを作っていると思います。運動の第二法則の本質を理解させることの方が重要ではないでしょうか。

極端な話、台車にひもと重りをつけて、実験台を水平運動させても等加速度運動にななります。

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