染色体実験2発 細胞分裂はやっぱりタマネギだね:野菜からDNA(染まるから染色体でしょ!?)
DNA、最近よく耳にします。簡単に言うと、細胞の核の中にある生物の基本設計図です。ここでは、細胞分裂の観察と、DNAを抽出する実験をおこないます
実験1:細胞分裂はやっぱりニンニクだね
材料:ニンニク、発泡スチロール、虫ピン、顕微鏡観察器具、染色液
まず初めに、ニンニクを房に分けて薄皮を剥きます。皮をむかれる刺激で発根します。虫ピンで発泡スチロールにいくつか固定します。容器に入れ水を満たします。光を遮ります。ニンニクですと狭いスペースでたくさん用意することができます。最近見かけなくなりましたが中国産の安いニンニクで十分です。
夏場ですと2,3日で発根します。一房から10本程度取れます。先端を5㎜程切り、60℃の塩酸5%に2,3分つけます。スライドガラスにとり、先端1㎜を残します。
スライドガラスで押しつぶします。酢酸カーミンなどで染色後、検鏡します。一班に10本程度渡すと必ず良いものがあります。
細胞分裂の様子がわかるものを見つけます。初めは100倍で観察し、細胞が細かいところを探します。染色体が見えているところを拡大して観察します。
とにかくニンニクの利点は大量に用意できることです。玉ネギですとあまり用意できないため失敗に終わることも多くあります。ニンニクの代わりに長ネギの種子を黒い布の上に発根させて1㎝程度に伸びたものを使うことができます。しかし、ニンニクは班に一房ずつ渡せば十分なので、使い易い点が何よりです。中国産のニンニクを最近見かけなくなりました。昨年の長雨による氾濫のせいでしょうね。
実験2:玉ネギからDNAを取り出す
玉ネギ1/4をすりおろし、食塩3gと洗剤を2,3滴入れよくかき混ぜます。それを茶こしでこして、等量の冷やしたエタノールを静かに入れます。DNAが浮き上がります。スポイトで吸い上げます。
吸い上げたDNAをろ紙にたらします。酢酸カーミンで染色します。数分後お湯で色を落とします。
DNAをたらした部分が染色されています。DNAの抽出だけではなく、染色まで行った理由ですが、生徒は抽出されたDNAを見ても「ふーん」で終わってしまい印象に残らない子供も多いです。そこで染色して染色体(DNA)はこうして染色されるから名付けられたんだよと印象付けたいと思いこの実験にしました。
実験2:ブロッコリーからDNAを抽出しよう。
材料ブロッコリー、100%オレンジジュース、中性洗剤、食塩、エタノール、ろうと、ろ紙
まずブロッコリーの花芽の部分を取り、すり鉢でよくつぶします。そこに10%食塩水を加えて、上の写真のようにろ過をします。そこに、中性洗剤2,3適を入れて、よく撹拌します。さらによく冷やしたエタノールを加えるとDNAが白く浮き上がってきます。同様の実験は、バナナ、かぼちゃ、イチゴなどでもできます。ブロッコリーは値段が比較的高い為、タマネギの実験の方が経済的です。
実験4:ジュースからDNAを抽出する
タマネギやブロッコリーの実験を生徒にやらせて、教師の演示実験にやるといいかもしれません。
オレンジジュース(100%果汁)を40ml程取ります。
そこに同量のエタノールを静かに注ぐとDNAが浮かび上がります。左の写真の白い浮いている物がDNAです。
オレンジジュースは細胞が壊されて、すでにDNAが核から外に出された形になっています。エタノールを加えるだけでDNAを抽出できますが、あまりにも簡単すぎて、実験をしている感じがしないかもしれません。
しかし、生徒にDNAを見せるという目的は果たせます。