
ガラス玉顕微鏡


左の図のように、細いガラス棒を加熱すると、溶けたガラスの表面張力によって、球状になります。線香花火が丸くなることと、同じ理屈です。この球状のガラスをレンズとして利用して、100倍程度の顕微鏡にします。


次に黒い下敷きを2×5cmに切ります
中央に直径1mm程度の穴を開けます
両サイドを1cm程度折り曲げます
左のウのように、ガラス玉を穴に置き棒の部分をセロテープ等で固定します


左図のように、プレパラートに乗せます。ピントの調節は、ガラス玉とプレパラートのカバーガラストの距離をプラスチック板を押すことで合わせます。必ず明るい方にプレパラートを向けて下さい
初めは、ピントを合わせることが難しいので見たことのあるプレパラートで見たほうがよいと思います。
ガラス玉顕微鏡の倍率
人間の明視距離(人の目で見えるピントの限界距離)約250mmをガラスの球レンズの焦点距離で割ったものが倍率になります。(ピンホールの原理のページのケプラー式望遠鏡の倍率の計算と同じで二つのレンズの焦点距離の商が倍率になります)
一般にガラス球の 焦点距離は以下の式であらわせます
ここにガラスが完全な球としてR1R2に r と -r を入れて計算すると
となります。nはガラスの屈折率で約1.5 ガラス球の直径を1mmとすると、rは0.5mmこれを計算すると
焦点距離は f=0.75mm になります
明視距離 250mm÷ 焦点距離 0.75mm =333倍 になります。
あくまで 作ったガラス玉が完全な球としての計算です。
実際に見ると、それでも100倍の顕微鏡よりは拡大されています。
上にある絵を見て、ちょうど焦点距離から見ている人にとって
拡大される星の倍率は明視距離÷焦点距離になります。 オレンジ色の三角形の比に注目です。
ただし、一つだけこうした手作り顕微鏡で観察する時の注意があります。
ピントがあまり良くないので、試料は必ず一度見たことのあるものを使って下さい。
見えているのか見えていないのか、分からない時があります。または、同倍率程度の試料の顕微鏡写真を
提示しておくと生徒も良く分かります。また、ピントの調整が難しいのがこの顕微鏡の難点です。そこで、最近
はやりのペットボトル顕微鏡の方がやや部があります。詳しくは姉妹ページの「スマホで顕微鏡」をご覧くださ
い。


